俳優座「猫、獅子になる」は、静岡県、長野県、中部・北陸ブロックの3ブロック初の統一例会として、全ての鑑賞会が「前例会クリアで迎えよう」と取り組んできた舞台です。その3ブロックの初っ端として、静岡・清水の合同例会がありました。静岡市民劇場は昨年から5例会連続の前例会クリアを続けてきており、6例会連続(1年間)を目指していました。しかし、直前例会のこんにゃく座「遠野物語」から僅か1か月しか時間がなく、20名の退会者に対し10名の新入会に終わり前例会クリアはなりませんでした。大変残念ですが、次の「殺しのリハーサル」に向けて気持ちを切り替えるしかありません。
作品は社会問題となっている「8050問題」を真正面から取り上げながら、親子・夫婦・様々なコミュニティを描き、観客誰もが思い当たるリアリティを作り出していました。さらには、動かない大道具を複数の場所に設定し観客の想像力を膨らます、舞台作品ならではの演出で「さすが俳優座」と、楽しませてくれたと思います。ラスト近くの静かなどんでん返しには多くの会員が涙を流したことでしょう。
今回は昼の終演後にロビー交流会を開きました。92歳の岩崎加根子さんをはじめ、引きこもり役の清水直子さん、妹役の安藤みどりさん、その夫役の塩山誠司さん、劇団座長役の若井なおみさんの5名が参加していただきました。俳優としての心構えや今作品の役柄への取り組み方など、会員の感想と質問に丁寧に答えていただきました。
翌日には俳優座制作の板倉さんが「何も終わっていない。これからだよ」と、作品のメッセージが込められた、静岡市民劇場を励ますような『猫獅子新聞 速報』を発行してくださいました。そして、次の例会場・三島に向かう俳優陣を多くの会員が笑顔で見送りました。